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 ようこそ研究室のホームページへ。私たちはSDGsの「3. すべての人に健康と福祉を」に関わる研究をしています。私たちが開発した新しい技術を使って得た分子や遺伝子ネットワークなどの情報を創薬等に活かしたいと考えています。

  細胞が正しく働くのは、必要な仕組みの設計図がDNAに全て記載され、設計図を基に適切に利用されるからである。RNAはその中心的な役割を持つ分子で、DNAの情報はRNAを介して伝達される。RNAの生成・分解、そして翻訳は遺伝子の働きに欠かせない。

 研究室は遺伝子の働きを制御するRNAに関連する技術開発を行っている。近年、RNAに作用する医薬品の開発が世界的に急速に進められており、様々な方面の研究が求められている。特にRNA干渉と呼ばれるRNAを分解する現象は、任意のRNAの働きを意図的に止めることができる技術に応用され、世界的にはRNA干渉を応用した医薬品も視野に入れた研究が行われている。私たちはRNA干渉に使用する分子セット(RNAライブラリー)を作製する独自技術の開発に成功し、これを用いて『がん細胞』に効く分子を創生することを目指している。

 研究室はがん細胞を評価する実験系の開発にも注力しており、がん細胞の状態(分裂、細胞死など)を生きたまま1細胞ずつ評価することが可能である。また新しい試みとして、がん幹細胞の状態を細胞形態で識別する人工知能技術を開発して、細胞評価系に応用展開しようとしている。研究室の学生は細胞培養技術、組換えDNA技術、RNA干渉技術、フローサイトメトリー技術、定量PCR技術などを学びつつ、研究課題を進めることができる。

 がん細胞は複数の遺伝子変異の蓄積によって生成し、無限に増殖する機能を獲得した細胞で、正常細胞と異なる状態を維持する。その原因を狙い撃ちにしたRNA干渉の研究が世界中で進められている。私たちはこの戦略においては、細胞の酸化に関わる分子を標的とした探索研究を進めている。がん細胞の営みに影響する遺伝子の働きを制御できれば、腫瘍を消滅させることができる可能性がある。